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ウッドストックへの道
10月30日(火)

『ウッドストックへの道』(マイケル・ラング、ホリー・ジョージ・ウォーレン著/室矢憲治訳)は、
1969年8月、ニューヨーク州で開かれた野外ロック・フェスティバル、
ウッドストック・ミュージック&アート・フェアの主催者マイケル・ラングが、
そのフェスティバルに至る経緯と、
3日間の現場をふり返るドキュメントだ。
このフェスティバルが、
現代の野外ロック・フェスへの道筋を照らしたこと、
あるいはまた、60年代の若者文化が築き上げた理想の瞬間として語りつがれてきたことは、
改めて触れるまでもないだろう。
その奇蹟の3日間に辿り着くまでの、
マイケル・ラングの旅の記録でもあり、彼の青春記でもある。
フェスティバルの現場でのいろんなエピソードも興味深く楽しめるが、
これと言って意味のない、些細な記述にさえ時代の匂いがして、
ワクワクさせられる。
1960年代という時代のせいもあるのだろうか。
それにしても、よくやり遂げたなあ、と改めて感心する。

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by in-cahoots | 2012-10-31 01:46 | 音楽 | Comments(0)
ドナルド・フェイゲンの痛い快感
10月25日(木)

機知に富んだリズムが繰り返され、
やがて、そこに含まれる棘の痛みを含めて、
この音楽が生み出すありとあらゆるものが快感へと変わっていく。
相変わらずと言えばそれまでだが、
色彩だとか、テンポだとか、こういうのって、誰にでも出せるものではない。

短編小説風に綴られる暗示的な歌の数々ーー。
社会への風刺を差し出され、
若いころを振り返ってみたり、
老いた身の現実を突きつけられたり。

最近スティーリー・ダン周辺の活動ではおなじみのギタリスト、
ジョン・ヘリントンの活躍も印象深い。
ニュージャージーの出身で、若いころは同郷のブルース・スプリングスティーンの前座をやっていたというギタリストだ。

ドナルド・フェイゲンの新作『サンケン・コンドズ』を聴きながら。

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by in-cahoots | 2012-10-25 11:27 | 音楽 | Comments(2)
ジョー・ヘンリー&リサ・ハニガンが震わせた秋の夜
10月16日(火)

午後、歯の治療に行って、
夜は渋谷の釣具屋で買い物を済ませ、
その足で、DUO MUSIC EXCHANGEにジョー・ヘンリー&リサ・ハニガンを。
なんとも素晴らしいライヴだった。
ジョー・ヘンリー一人でも素晴らしい。
リサ・ハニガン一人でもきっと素晴らしいに違いない。
だけど、二人が一緒だと、その素晴らしさは2倍にも3倍にも、
いや、それどころか、
そこにもう一つ別の個性が生まれるくらいで、
それが素晴らしかった。
しかも、その新しい個性には、ジョン・スミスという個性も加わり、
ロス・ターナーという個性も見過ごせない感じでちゃんと存在していた。
アンコールでは、ジャクソン・ブラウンの「青春の日々These Days」を。
そして最後は、今年亡くなったリヴォン・ヘルムを追悼して、
「オールド・ディキシー・ダウン」を。
これだけでも、どれほど素晴らしかったか、想像できるでしょ。
それにしても、リサ・ハニガンの歌声を聴いていると、
メラニーの歌声が重なって聞こえるときがある。
ぼくだけかな。

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by in-cahoots | 2012-10-17 17:38 | 音楽 | Comments(0)
62歳の仲井戸"CHABO"麗市、そしてR&R
10月9日(火)

Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで、
仲井戸"CHABO"麗市 GO MY OWN WAY 62を。
言うまでもなく、この日は、ジョン・レノンの誕生日であり、
と同時に、仲井戸さんの誕生日にもあたる。
竹中直人、Leyona、梅津和時といった友人たちがゲストに駆けつけて、
「ティーンエイジャー」を一緒に歌う一幕も。
いつになく沢山披露された新曲の数々も素敵だった。
それらをアルバムという形で聴きたいと願うファンも、
きっと、多かったに違いない。
「ガルシアの風」や「My R&R」のように聴きなれた曲も、
やはり素敵だった。
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by in-cahoots | 2012-10-11 00:52 | 音楽 | Comments(3)
ロンサム・ストリングス&中村まり
10月5日(金)

ロンサム・ストリングス&中村まりのライヴを渋谷クアトロで。
感傷に浸って、勿体ぶろうと思えば幾らでもできたはずだ。
それを、中村まりとロンサム・ストリングスの面々は、
気持ちがいいくらいに、自然に歌い、普段通り演奏することで、
そこにいるいないにかからず、
音楽を巡る全ての仲間たちへの敬意をも表してみせた。

とりたてて特別なことをやっていたわけではないのだが、
帰り道にお酒でも飲みたくなるような、
嬉しい余韻をいただいた。

写真は、この日のライヴに先駆けて発売されたアルバム、
ロンサム・ストリングス&中村まり『Afterthoughts』。

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by in-cahoots | 2012-10-08 15:39 | 音楽 | Comments(0)
デヴィッド・バーン&セイント・ヴィンセントに震える
10月4日(木)

例えば、狂気とか、どうしようもない悲劇には、
人間という生き物の滑稽さを含んでいることが多い。
デヴィッド・バーンの音楽を聴いていると、
それを俯瞰しながら見つめる彼の視線がヒリヒリ震えていて、
そこに、ぼくはいちばん惹かれるのかもしれないな、と思ったりもする。

今回のデヴィッド・バーン&セイント・ヴィンセント名義の『ラヴ・ディス・ジャイアント』もその例外ではない。
管楽器を大胆に使って、彼ならではの冒険心にあふれるサウンドが躍動する。
それも、画一的なリズムではないあたりが、
ラテンアメリカの文化にも精通した彼らしい。

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by in-cahoots | 2012-10-05 13:20 | 音楽 | Comments(0)
ボブ・ディランの『テンペスト』を聴きながら。
10月2日(火)

「わたしはちょっとした言い回しを探し求めている
あなたを讃えて歌おうと
わたしは誰かに告げずにはいられない

真夜中が過ぎたばかり
そしてわたしの日は始まったばかり」

「スーン・アフター・ミッドナイト」(対訳中川五郎)

ああ、ちっとも前に進まない。
ぼくは、いまだに2曲目で立ち止まってばかり。
こんなのがラジオから流れてきたらたまらない。
71歳の男が歌うラヴ・ソング。
そして、彼は、この歌をこう結ぶ。

「真夜中が過ぎたばかり
そしてわたしはあなたのほかに誰もほしくない」

ああ、かなわない。
この艶っぽさには、とてもかなわない。
この切なさには、とてもかなわない。

ボブ・ディランの新作『テンペスト』を聴きながら。

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下の写真は、アルバムについていたおまけのメモ帳。
もったいなくて使えないけど。
あっ、後ろの写真は違いますよ。
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by in-cahoots | 2012-10-03 00:54 | 音楽 | Comments(4)