10月30日(火)
『ウッドストックへの道』(マイケル・ラング、ホリー・ジョージ・ウォーレン著/室矢憲治訳)は、
1969年8月、ニューヨーク州で開かれた野外ロック・フェスティバル、
ウッドストック・ミュージック&アート・フェアの主催者マイケル・ラングが、
そのフェスティバルに至る経緯と、
3日間の現場をふり返るドキュメントだ。
このフェスティバルが、
現代の野外ロック・フェスへの道筋を照らしたこと、
あるいはまた、60年代の若者文化が築き上げた理想の瞬間として語りつがれてきたことは、
改めて触れるまでもないだろう。
その奇蹟の3日間に辿り着くまでの、
マイケル・ラングの旅の記録でもあり、彼の青春記でもある。
フェスティバルの現場でのいろんなエピソードも興味深く楽しめるが、
これと言って意味のない、些細な記述にさえ時代の匂いがして、
ワクワクさせられる。
1960年代という時代のせいもあるのだろうか。
それにしても、よくやり遂げたなあ、と改めて感心する。